教室以外の私の仕事(10月11日)

 あの猛暑のお陰(?)でしょうか、我が家のモクセイは例年よりも甘い香りが豊かに感じられました。秋はお菓子がおいしい季節。10月の教室の準備も気持ちが弾みます。
 今日は私の教室以外の仕事をいくつか紹介させて下さい。

 まずは、今年の4月に新発売した抹茶のお菓子『T-cake~翠の宝物〜』について。お茶の竹翠園から「抹茶でお菓子を作りたい」というご依頼を受け、レシピを作りました。今はちょっとした抹茶のお菓子ブームです。あらゆるお菓子が出そろっています。そんな中で敢えて作るなら、オリジナルで作り手がこれを食べてもらいたい!と心から思えるお菓子でなければ、と考えました。幸い竹翠園の方も同じ考えと熱意を持っておられました。私が試作したいろんなタイプの抹茶のお菓子をあれやこれやと意見をかわしながら絞り込み、レシピと作り方を洗練させてできたのがこの『T-cake』です。
 お茶の竹翠園さんは、このためにりっぱなオーブンを備えたお菓子工房を作られたのはもちろんですが、なんとこのお菓子の作り手は、竹翠園の奥さまとお嬢さまなのです。お二人はお茶の中で育まれた方、その上お菓子とおいしいものが大好きときています。(試作中がどんなに楽しかったか、ご想像下さい)
 けれども、商品として世に送り出すには、好きや楽しいではすまないのが現実。レシピが決まった後の試運転の間には、失敗や思わぬ出来事がありました。お二人はそれをひとつひとつ乗り越えて…。今では工房でのお二人の働きぶりの見事なこと!手をかけて丁寧に作ったお菓子です。お味にも自信があります。いろんなお菓子を食べてきたといううるさい方、ぜひ、一度召しあがって下さい。発送もいたします。くわしいお問い合わせはフリーダイヤル0120-26-4593へ。

 お菓子について原稿を書く仕事もしています。今年はカワイ音楽教育研究会からでている『ENSEMBLEあんさんぶる』という冊子に音楽スイーツ紀行というテーマで連載をもっています。最新号はハンガリーの音楽とドボストルテについて書きました。音楽の魅力について、いろいろな方々があらゆる角度から語っている楽しい冊子です。音楽とお菓子が好きな方、カワイ音楽研究会にお問い合わせ下さい。あんさんぶる編集室電話03-3320-2379
 そして純真短期大学で10年来非常勤講師をしています。「テーブルコーディネート」「フードコーディネート」などを講義していたのですが、さらに今年の4月からは『菓子文化論』を通年で受け持っています。製菓を調理技術だけでなく、文化として捉え、菓子の教養を身につけようという意気込みで取り組んでいます。学生達には難しいかもしれませんが、きっと先で役に立つことと信じています。
 最後にこれはまだ愛好家の段階なのですが、クラシックバレエについても書いています。10月8日は東京文化会館でオーストラリアバレエの『白鳥の湖』を観てきました。古典の演目をグレアム・マーフィーが新しい解釈で振り付けたこの公演は、2007年に初来日の時大評判を呼んだのです。私はその時は観そびれて、今回念願がかないました。噂どおりスリリングでゴージャス!19世紀のイギリスを舞台に王子と妃そして王子の愛人が織りなす悲恋へと設定は変えられているのですが、音楽はチャイコフスキー。正確なテクニックに裏打ちされたダンサー達の力強い踊り、そこから発せられる愛、裏切り、癒しという人間ドラマ。心情を象徴する衣装も素晴らしく、息つく暇もない3時間弱でした。(三浦裕子)