雨に洗われて美しい緑の中で(6月19日)

 
 裏庭のびわがひと雨ごとに色づいています。庭の百合もいっせいに咲きそろいました。Sweets&Tableの庭の緑が日ごとに色濃くなる頃です。

 今月は紫陽花のテーブルです。祖母の代から親しくしているお宅に、それは見事な紫陽花の咲くお庭があります。毎年6月になるとそのお宅から紫陽花が届くのです。薄紫のクロスに紫陽花柄の手製のナプキンを添えたこのテーブルは、Sweets&Table定番となりました。

 6月は爽やかなお菓子が揃いました。2年目クラスのメニューは「ミント&チョコレートのムース」「パンナコッタ」「ビスコッティメリガ」。摘みたてのフレッシュミントで作るババロアの自然な清涼感は軽いチョコレートムースととてもよくあい、今の季節にぴったりの味わいです。パンナコッタには、季節のさくらんぼなどの果物を添えて。コーンミール入りのビスコッティは、つぶつぶ感のある食感が楽しいクッキーです。

 3年目のクラスでは、「ディプロマートトルテ」「メープルシロップ風味のチーズクリームタルト」「タイム風味のビスケット」を作りました。ディプロマートトルテは普通のジェノワーズとカカオ風味のジェノワーズを作り、スライスして市松模様に仕上げるケーキ。デコレーションは軽いチョコレートクリームでシンプルに仕上げました。メープルシロップ入りのチーズクリームのタルトは焼き菓子です。冷していただくお菓子ですが、低温でじっくりと焼き上げているので日持ちがします。タイム風味のビスケットは、フレッシュタイムを使った風味豊かな味わい。サクッとした歯ざわりも魅力です。


 4年目以上のクラスは「プルーン入りヨーグルトプリン」と「ケーク・サレ」を2種類作りました。白いプリン型に仕上げたのは、キルシュで風味づけをしたヨーグルトと生クリームの爽やかなクリームにプルーンを詰めたお菓子。かくし味にイヴォワールシャンティを加えています。プルーンは赤ワインで煮たものを使いました。6月にぴったりのお菓子だと思います。
 ケーク・サレは教室でとりあげるのは2回目です。今回はアンチョビとグリーンアスパラを入りのものと、じゃがいもとサーモン入りのものを作りました。アンチョビ入りの生地にはトマトジュースを、サーモン入りには抹茶をいれています。ごらん下さい。トマト色とグリーンが健康的でおいしそうでしょう。

 10年以上続いているながいクラスでは「グレープフルーツとヨーグルトのムース」を作りました。グレープジュースゼリーをからめたみずみずしいグレープフルーツをこぼれるようにのせて仕上げます。中にはヨーグルト風味のクリームとかる〜いグレープフルーツのムースをいれて。グレープフルーツのみずみずしさとヨーグトクリームの酸味…今頃から夏にかけて嬉しいおすすめのお菓子ができました。

 土曜日午後のながいクラスでは、他に「パイナップルのパン・ド・ジェーヌ」と「アンチョビ入りのチーズステック」を作りました。パン・ド・ジェーヌには、オーブンで軽く水分をとばした完熟のパイナップルをいれました。トロピカルな焼き菓子です。クッキーはアンチョビをサンドしたパ生地にパルメザンチーズをまぶして焼いたもの。程よい塩味に、つい手がのびてしまうおいしさです。

 一番ながいクラスでは、「レモンとミントの焼き菓子」「ラズベリージャム入りチョコレートシフォン」を作りました。庭のあちこちに元気に葉を広げているミントは、ひと枝部屋におくだけで、爽やかな香りが広がります。この清涼感を焼き菓子にできないかと考えて作ってみました。軽いバター生地にレモンと共に加えてみたら、新鮮な焼き菓子ができました。ミントシロップで糖衣をかけているのも、おいしさの決め手です。

 今月の1年目のクラスのテーマはイタリアのお菓子です。メニューは「ズコット」「エスプレッソ・ビスコッティ」「ザバイオーネ」。ナッツとチョコレートを混ぜたかるいクリームをつめたズコット、マルサラワインで仕上げたザバイオーネにエスプレッソ風味のビスコッテイを添えて。イタリアの文化やお菓子の魅力に思いを馳せながらのティータイムでした。
(三浦裕子)