ココナツムースと塩味のお菓子(7月15日)



今月は教室中(7月5日〜14日)に大雨と台風8号が通り過ぎました。台風が最も近づいた10日木曜日のクラスは、大事をとって14日の月曜日に延期しました。今年で教室を始めて21年目になりますが、台風と大雪でクラスができなかったことが、3回目ありました。自然の力の前には人間はなすすべがないこともある…ということを忘れないよい機会かもしれません。
まだ梅雨が明けない福岡ですが、Sweets&Tableの中は夏。イタリア製のプリントのテーブルクロスにガラスの角皿、お花はアンスリウム、そしてお菓子はココナツのムース、コーヒー風味のグラッセに塩味のパイやシフォンケーキです。


2年目のクラスでは毎年、7月にフードプロセッサーで作るパート・ブリゼをしています。夏にパイなんてと思われるかもしれませんが、プードプロセッサーでささっと作って明太やアンチョビを巻くと、夏の夕方にぴったりのおつまみができるのです。
下の写真をご覧下さい。ミニクロワッサン風に仕上げたものが「アンチョビパイ」渦巻きの方が「からし明太パイ」です。トイ型で仕上げたお菓子は、コーヒー風味のクリームを詰めて凍らせた「コーヒーグラッセ」です。トイ型は場所をとらないので、課程の冷凍庫でも使いやすと思います。




3年以上続いているクラスでは「パイナップル入りココナツムース」と種類の塩味のシフォンケーキを作りました。「ベーコンと玉ねぎのシフォンケーキ」「サーモンとズッキーニ」のシフォンケーキです。
パイナップル入りココナツムースは、牛乳にココナツファインとココナツミルクパウダーで風味をつけたものにイタリアンメレンゲを加えて、軽く仕上げました。シロップでマリネしたパイナッップルには、軽くラム酒をきかせています。生地はビスキュイ・ア・ラ・キュイエールを使いました。棒状に絞った生地には、軽くココナツロングを散らしています。各クラスで器やムースの表情が少しずつ違います。






塩味のシフォンケーキは、イル・プルー・シュル・ラ・セーヌのシフォンケーキからヒントを得たものです。甘みがでるまでソテーした玉ねぎにベーコンを加えたものとエダムチーズを入れたタイプ。こちらには、ブラックペッパーを効かせました。甘塩の鮭を焼いてほぐしたものとズッキーニを入れたタイプには、ホワイトペッパーを効かせました。クラスの評判としては「サーモンとズッキーニのシフォンケーキ」の方にやや軍配があがりました。どちらも軽く温めなおしていただくと、いっそうおいしくなります。今月はティータイムの前にトマトのブルスケッタをご用意したのですが、トマトのジュースにひたすと、このシフォンはいっそうおいしくなります。こんな朝食があれば、蝉時雨の一日も元気にすごせそうです。





今月は「上生菓子以外の和菓子」についてお話しました。昨年の秋の江戸時代に茶の湯とともに発達した上生菓子についての続編です。Sweets&Tableは洋菓子の教室ですが、お菓子好きであるとともに日本人である私たちは和菓子のことも理解しておきたいとの思いからテーマに取り上げました。和菓子には、私たち日本人がより良く生きていくための願いや知恵がこめられているのです。(三浦裕子)
写真は自宅の松です。根元にいる亀のオブジェは祖父の作品です。