ウィーンのチョコレートケーキ(1月23日)

今月のSweets&Tableは、クラシックなウィーンのチョコレートケーキを作りました。オーバルのテーブルにかけたクロスは、原田二絵さん作の織り布をクロスに仕立てたもの。深みのある風合いがとても気に入っています。ノリタケの金彩のティーセットをあわせました。丸テーブルにはボルドー色のモワレ布に有田、其泉窯の琳派の皿をあわせてみました。クラスの前には、一保堂の大福茶を。

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Aクラスメニューは「家庭で作るザッハートルテ」BCクラスは「トリュフェルトルテ」それに「ラズベリーとチョコレートのシフォンケーキ」「オートミールウォールナッツクッキー」です。

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ウィーンのチョコレートケーキといえばザッハートルテ。1832年頃若き料理人フランツ・ザッハーが作ったといわれるこのトルテはあまりにも有名ですが、家庭で作るには不向きなお菓子です。表面を覆うショコラグラズール(チョコレート糖衣)を美しくし上げるには、ある程度の量が必要なのです。けれどもお菓子好きなら一度はザッハートルテを作ってみたい!そこで教室では、量はできるだけ少なく、しゃりっとした歯触りはウィーンのものに近くと工夫した「家庭で作るザッハートルテ」を作っています。見かけは地味ですが、ザッハマッセはやはり美味しいです。生クリームを添えていただきます。

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ウィーンのお菓子屋さんにはザッハートルテの他にも、必ず幾種類かのチョコレートのケーキが並んでいます。私がよくウィーンに行っていた1980年代に人気だったのが、このトリュフェルトルテでした。ラムを効かせた濃厚なガナッシュをサンドして表面にもたっぷりとデコレーションし、ココアをたっぷりとふって仕上げるトルテです。当時は残ったガナッシュを丸めていが栗状にしたものをのせたデコレーションが流行っていて、いろんなお店でこのトルテを食べたものです。教室では、クラスによっては角型に焼いて、スクエアに仕上げたものも作ってみました。

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全クラス共通の焼き菓子はラズベリーとチョコレートのシフォンケーキ。私の好きなチョコレートとラズベリーの組み合わせをシフォンケーキで表現してみました。美味しいです!(笑)

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クッキーはがりっとした歯触りのオートミール入りのクッキーです。きび砂糖と蜂蜜を使い、たっぷりとくるみを入れて焼きます。食べ飽きない味わいで、これこそホームメイドのクッキーです。

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今月のお菓子の話では「ガレット・デ・ロア」を取りあげました。何故ロアなのか、ロアとは誰なのか。フェーブがあたった人が王様になるというこのお菓子に込められた昔の人の知恵を、「秩序の逆転」という概念をキーワードに探ってみました。ティータイムの前にはほんの少しですが、暖かい人参のスープを。(三浦裕子)