朝夕は秋の気配を感じる頃になりました。

朝夕は秋の気配を感じる頃になりました。真っ黒に日焼けした近所の子供達は、夏休みの最終日の今日も、午前中に我が家の前で待ち合わせをして、自転車でどこかへでかけていました。

皆さまはどんな夏休みをお過ごしになりましたか。私は母の初盆と大学院の論文の準備ですぎていきました。母が毎年していたことを思い出しながら、母そしてご先祖さまを迎える用意をしたのですが、わからないことがたくさんあり、もっとよく教わっておくのだったということだらけ…まさに後悔先に立たずです。たくさんの方々のお参りに来ていただき、母についての思い出話を聞かせていただくことができました。母そして祖父母、父の面影を感じながら送り火をたく…お盆は時空を超えて亡き人とふれあう大切なひとときです。

そんな日々の合間に、東京で『世界バレエフェスティバル』の初日を観てきました。3年に一度、世界のトップダンサー達東京に集まるこのバレエの祭典は、バレエファン待望の公演です。開演前から会場の東京文化会館は興奮と熱気にあふれていました。

序曲の後ヤーナ・サレンコとダニール・シムキンの『スターズ・アンド・ストライプ』で幕があくと、会場はためいきと期待感に満ちあふれます。これに応える晴れやかで躍動感あふれる踊り!4部構成で、次から次へと繰り広げられるスターならではのオーラに満ちた輝かしいパフォーマンス。バレエフェスティバルならではの贅沢な舞台です。なにしろ、シュツットガルト・バレエ団のマリア・アイシュヴァルトマラインラドメーカーの『ロミオジュリエット』の1幕の後にアニエス・ルテスチュとジョゼ・マルティネスの『ジュエルズ』のダイヤモンドが登場するのです!

今年はロシアのダンサーの参加も多く、ウリヤーナ・ロパートキナの『瀕死の白鳥』を堪能することができました。印象に残ったのは、マルセロ・ゴメスの『パガニーニ』。ヴァイオリニスト、チャールズ・ヤンの音楽と互いに触発し合いながら繰り広げられる舞台は、音楽とダンスの新たな関係を示唆しているように思えました。今年の『ドン・キホーテ』はオレシア・ノヴィコワとレオニード・サラファーノフ。美しく品のあるキトリでした。まさに眼福の4時間。バレエは命の輝きです。(三浦裕子)