苺とオパリスの組み合わせを梅の香りの中で(2月25日)


1月末から我が家の庭にはいっせいに水仙が咲き始めました。2月の築80数年の我が家の玄関には、こんな迎え花を活けてみました。
今月のSweets&Tableは15日から22日まで行いました。テーブルは淡いピンクがテーマカラーです。ベージュとピンクの綾織りのクロスにピンクのナプキンを組み合わせてみました。器はリンドナーのすみれです。


今月の教室では、チョコレートの話をいたしました。歴史については先月お話したので、今月は今年のヴァレンタインなどを見て食べて感じた事などをまとめてみました。「サロン・デュ・ショコラ」の傾向、セヴァスチャン・ブイエとアナスイのコラボレーションの口紅ショコラなどのタイアップショコラ、とらやの羊羹auショコラなどの和菓子屋さん発のショコラの定着などヴァレンタインのチョコレート市場は成熟した感があります。昔の話で恐縮ですが、30数年まえのショコラ(プラリネ)といえば、ベルギーやスイスの手作りが高級品とされ、トランペの薄さなどで技術がわかるなどと言われていました。けれども今は製造設備の機械化が進み、形状や仕上げにはどこもあまり差がなあいような気がします。その分、産地や品種によるカカオの風味の違い、合わせる味やフレイバーとの組み合わせでショコラティエのセンスをみせるという時代になったようです。
Sweets&Tableの今月のメニュー、1~2年目のクラスはパイ生地がテーマです。メニューは「ミルフィーユ」「キッシュ」「サクリスタン」。



当教室ではパイ生地は、フィュタージュ・ラピドなどと呼ばれる大きめに切ったバターをドゥと共に折りたたんで作る生地を作っています。これを使って作るミルフィーユは焼き方がポイント。生地がふくらまないように軽く焼いたパイ生地の上にオーブンプレートをのせて焼き、さらに裏表を返して焼き、最後に表面に粉砂糖をふりかけてこれがキャラメル化するまでしっかり焼きます。これはイルー・プルーの弓田先生に25年前に教わった方法ですが、こうしてで焼くと、ほんとうに美味しいミルフィーユができます。キッシュは毎年、ふたつの味で焼くようにしています。というのも、キッシュの楽しさは味のバリエーションにあると思うので、これをヒントにいろんな味を試していただきたいと思うのです。教室では「ベーコンと玉葱」「サーモンと生椎茸」を焼きました。クッキーはパイの 2番生地で作るサクリスタンです。サクリスタンはねじねじに仕上げる形状を意味するもので、味はさまざまです。教室では、シナモンシュガーとアーモンドスライスをまぶして焼きました。
3年目以上のクラス(一番長いクラスはなんと教室を始めて以来の20年続いています!)では、「苺のプチ・ガトー(オパリスを使って)」「アザミの蜂蜜のパウンドケーキ」「みかんの蜂蜜のパウンドケーキ」を作りました。
苺のプチ・ガトーはもう何度か作っています。今回は昨年の秋に新しくでたヴァローナのホワイトチョコレート。オパリスを使ったクリームと苺のムースをあわせてみました。オパリスはイヴォワールよりもミルキーで味に切れがあり、まず苺とあわせてみたいと思いました。評判は上々。生地はビスキュイ・ア・ラ・キュイエールです。苺のふんわりとしたムース、オパリスのミルキーなクリーム、軽いのにそれぞれのお味はしっかりと感じられる春らしいお菓子ができました。苺やビスキュイの飾り方はクラスによってさまざまです。



蜂蜜の風味を生かしたパウンドケーキを作りたいとは、以前から思っていました。今回は福岡八女でとれる蜂蜜専門店で何種類が試食し、花系の軽い風味のみかんの蜂蜜とコクのあるアザミの蜂蜜で作っていました。みかんには、ゆずの皮とオレンジキュラソーを隠し味にいれて柑橘系の風味を強調し、アザミには黒砂糖とカラメルを隠し味に入れてコクをより感じるようにしてみました。どちらかといえば、アザミの方が人気が高かったのですが、「いろんな蜂蜜を試してみよう」というお声が上がったのが嬉しい反響でした。


Sweets&Tableは2月が新学期です。2月はアフタヌーンティーのティーサンドウィッチをご用意するようにしています。今期も「お菓子を通して豊かな暮らしを」をテーマに楽しい教室にして行きたいと思います。皆様に幸せなティータイムがたくさん訪れますよう。(三浦裕子)