「パリに咲いた古伊万里の華」を観に。(6月1日)
5月29日の土曜日、みんなで九州国立博物館で開催中の『パリに咲いた古伊万里の華』展を観に行きました。当日は五月晴れ。博物館は輝くような新緑に囲まれていました。Sweets&Tableは洋菓子を作ってティータイムを楽しむ教室ですが、ティータイムの演出に欠かせないテーブルセッティングも大事な要素。(テーブルセッティング専門のクラスもあります)器に親しむことをお薦めしています。 この展覧会は17〜18世紀にヨーロッパに輸出された古伊万里が集められたものです。これらは当時のヨーロッパのバロック様式やロココ様式に加味されて、シノワズリーという東洋趣味を形作りました。17世紀〜18世紀といえば、ヨーロッパではお菓子の基礎ができた時代でもあります。ぜひ皆様といっしょに観に行きたいと思いました。せっかく皆様と行くのならと、博物館の交流室を借りて、ちょっとだけこれから観る展示品と同時代のお菓子の話をしました。 展示は輸出が始まった1660年代から公式輸出が終わる1750年代を4区間に分けられています。中国の模写をしながらも力強い筆さばきがある1670年代まで、元禄時代を背景にした日本の優美さが確立する1690年代、それが絢爛豪華な大作となる1730年まで、そして後期1750年代。私はシノワズリーがとても好きで、近くに行ったら必ずシャルロッテンブルク宮、シェーンブルン宮、それにサンスーシーの新宮殿、ツウィンガー宮などの磁器の間を見ます。ヨーロッパで古伊万里に対面すると、いつも胸が熱くなる私です。 先日十四代柿右衛門先生がこの展覧会をごらんになって「当時の職人達の感性と手さばきにあらためて感激した」といようなことを話しておられました。6月13日まで開催されているこの『パリに咲いた古伊万里の華』、ぜひごらん下さい。 九州国立博物館をでた後、太宰府にお参りしました。太宰府の脇にある中島神社をご存知でしょうか。ここには菓子の祖神、田道間守(たじまもり)を祭ってあります。もちろん私たちは、中島神社にもお参りしました。(三浦裕子)