待ちに待った涼風、9月のクラス(9月25日)


 今年の夏は暑かったですね。9月10日から始まった Sweets&Tableでしたが、14日ごろからやっと秋の気配が感じられ、ほっとしたことでした。
 さて、毎年当教室では9月はテーブルに和食器を使かうことにしています。今年はかよい盆に色絵の小皿と深川製磁のコーヒーカップをあわせました。お膝掛けには、ちりめんのナプキンを添えました。お菓子も一年目は、「ガトー・バスク・あずき」「ロールケーキ・ウジ」「ポルボロン風きなこのクッキー」と和のテイストをいれたものばかりです。ガトー・バスク・あずきはゆであずき入りのガトー・バスクです。あずきに生クリームとラムをかくし味に入れています。ロールケーキは、卵黄を多めにいれた柔らかい生地を抹茶入りの生クリームで巻いたもの。甘納豆を飾り、また中にも散らしています。クッキーはきなことピーナツバター入りのもの。香ばしくて、コーヒーにも緑茶にもあいます。



 2年目のクラスのメニューは、「栗きんとんスフレロール」、「いちじくのパイ」「スイートポテト」です。スフレはきめ細かく、やわらかく仕上がる生地。栗きんとんいりのクリームをにぴったりなのです。いちじくのパイは、赤ワインでコンポートにしたいちじくを柔らかめのアーモンドクリームと共に焼いたもの。クラスでも人気のあるパイです。その秘密はかくし味のカラメルです。


 3年目以上のクラスでは、「いちじくのタルトレット・シブースト風」「さつまいものフィナンシェ」「チュイールダンティル・エスプレッソ」「かぼちゃのムース」「エクレアの抹茶とキャラメル」「トマトと黒オリーブのケーク・サレ」を作りました。クラスによってメニューを変えたのですが、どのクラスも秋の到来を感じていただけるようにしています。
 いちじくは9月のクラスにははずせない果物。タルトレットにいちじくのコンポートとアーモンドクリームを入れて焼き、コンポートのシロップ入りのイタリアンメレンゲで作ったシブーストクリームをのせました。ブリゼのケースはしっかりとから焼きしてサクサクに仕上げます。さつまいものフィナンシェは、アーモンドプードルを多めに入れた生地にバターをからめたさつまいもを入れて焼きました。同じ生地でもオーバル型と小さなローフ型で焼いたら、味わいが変わるのですよ。
 かぼちゃはムースにして、黒ごまをちらしたビスキュイ生地とあわせてとい型でシャルロット風に仕上げました。ダンティルレースのようにうす〜く仕上げるチュイールには、コーヒー豆をいれてみました。抹茶とキャラメルのエクレアは、どちらも魅力的なおいしさです。


 10年以上つづいている長いクラスのメニューは「かぼちゃのブッセ」「抹茶のドボストルテ風」「チャイ風味のシフォンケーキ」「ズブリゾロナ」です。かぼちゃはバターや生クリームとよくあい、おいしいクリームになります。生地にもかぼちゃを入れ、中にふたつのかぼちゃクリームをはさんでブッセを作りました。ドボストルテはハンガリー生まれの伝統のトルテ。構成をヒントにして、抹茶の風味にしてみました。シフォンケーキは、シナモンとナツメグと生姜を効かせたミルクティー風味です。生姜汁をおとしたシャンティクリームを添えていただきます。ズブリゾロナは、耳慣れない名前ですが、イタリアのマントヴァの名物菓子です。とうもろこし粉をいれたサクサクのクッキーで、大きく焼いて、好みの大きさに割って食べるきどらないおやつです。
 読書、スポーツ、芸術それともお洒落…充実の秋には、おいしいお菓子でティータイムもどうぞ。(三浦裕子)