カマンベールのチーズケーキ(4月22日)
11日から18日まで4月の教室をいたしました。テーブルはイタリア製のファブリックで作ったクロスに、アイビー柄のノリタケのティーセットをあわせました。コンソールの上には、マイセンの道化人形を飾ってみました。
4月のメニューはBクラス「レモンのトルテ」「サンドケーキ」「米粉の黒砂糖クッキー」、Cクラス「やわらかいフレジエ」「サンドケーキ」「米粉と黒砂糖のクッキー」DクラスEクラスは「カマンベールチーズケーキ」「エコセ」「バーチ・ディ・ダーマ」です。
Bクラスの「レモンのトルテ」は私の好きなケーキのひとつ。家庭でお菓子作りを楽しむなら、こんなケーキを作って欲しいと思っているものです。柔らかいジェノワーズにレモンジュースを入れたディプロマートクリームをサンドし、シャンティクリームで仕上げたるもので、底にはサクサクのパートシュクレを敷いています。クラスの方々に手製のレモンカードで表面にデコレーションしていただきました。庭のレモンの葉っぱを添えています。
Cクラスの「やわらかいフレジエ」は苺を使ったフランス菓子「フレジエ」を家庭的にアレンジしたケーキです。本来のフレジエはビスキュイ・ザマンドにクレーム・ムースリーヌを作るものなのですが、ここではふんわりめに仕上げたビスキュイ・ジョコンドとディプロマートクリームを使いました。冷蔵庫で逆さまにしてよく休ませるのがきれいに仕上げるコツです。
B、Cクラス共通の焼き菓子「サンドケーキ」は、薄力粉からグルテンをとった浮き粉を使ったパウンドケーキです。ほろっとくずれるような独特の食感に仕上がるため砂のようなということで「サンドケーキ」と呼ばれます。今月はチーズ風味にしてみました。表面に杏ジャムをぬってローストしたアーモンドダイスをまぶして見ました。クッキーはケーキ用の米粉と黒砂糖で作ってみました。仕上げにも薄く黒砂糖をまぶしています。これも、薄力粉で作るものとはひと味違う食感です。
D、Eクラスでは、カマンベールでチーズケーキを作ってみました。イタリアンメレンゲを加えてふんわり、とろりと仕上げます。カマンベール独特の風味を楽しむおいしいチーズケーキができました。表面は残り生地で作ったケーキクラムをまぶしています。粉砂糖もふりかけるつもりが、忘れたクラスもあり…。反省しています。
D、Eクラスの焼き菓子は「エコセ」です。アルザス地方ではエコセ(スコットランドの意味)と呼ばれるこの焼き菓子は、ドイツでは鹿の背を模した型で焼かれ、レーリュッケンと呼ばれます。今月はアーモンド生地に手製のゆずジャムを入れて焼きました。ゆず風味も好評でした。
クッキーはイタリアのクッキー、バーチ・ディ・ダーマ(貴婦人のキスの意味)です。アーモンド入りでさくっ仕上がるこのタイプのクッキーはイタリア以外の国でもよく見かけるタイプ。バーチには、挨拶のキスの時のすぼめた口でも食べられる小菓子の意味もあるようです。イタリアではジャンドゥヤのガナッシュでサンドすることが多いようですが、今月はヴァローナのカラクを使いました。
今月はティータイムの前に新玉葱と梅干しのスープを召し上がっていただきました。また、ティータイムの時は『柴田コレクション』のカタログをみながら、初期有田の器の話をしました。(三浦裕子」
追伸・今月は夙川の『ミッシェル・バッハ』のクッキーがおみやげに届いて、皆さまでいただいたのですが、パッケージに16世紀のレープクーヘンの焼き職人の版画が使われていたのに改めて気がつきました。