深まりゆく秋・栗を楽しむ10月クラス（10月23日）

　日一日と秋が深まる頃となりました。庭の秋明菊も秋風にゆれています。今月のテーブルはハロウィン風。地模様のあるレンガ色のクロスに黒のフェルトをあわせました。クロス自体はどちらかといえば和風のテイストなのですが、黒をあわせればハロウィンの雰囲気になります。器はよく使っているノリタケのものですが、モワレの黒ナプキンにハロウィン模様が入ったワイヤー入りのリボンをあしらいました。　今月の主役は栗のお菓子です。2年目のクラスは、栗のムースを詰めた「栗のムースタルト」。3年目のクラスは「フランス風のモンブラン」。5年目以上のクラスは抹茶入り生地で作る「栗山」。10年目以上のクラスは栗クリームとキャラメルをあわせた「栗とキャラメルクレムーのケーキ」。一番長いクラスでは「カカオ風味のマロンタルト」。どれも甲乙つけがたいおいしさのお菓子です。　2年目のクラスの「栗のムースタルト」は手製の栗のシロップ煮を使います。この栗はババロアやムースによし、焼き菓子にしてよし、（もちろんそのまま食べてもおいしいです！）と大活躍する保存食です。このクラスの焼き菓子は「スフレチーズケーキ」を作りました。クリームチーズの他にゴーダチーズを入れるのですが、これがアクセントとなって大人向けの味に仕上がります。ただ、今月は私が吹き替えに事前に作っておいたものにサワークリームを入れるのを忘れ、クラスでは本来のお味を召し上がっていただけず…。クラスの時はきちんと作りましたので、おみやげでは、深い味わいを楽しんでいただけたことと思います。（慌て者の私です。ごめんなさい）クッキーはアイスボックスクッキーを作りました。　3年目のクラスでは、「モンブランはフランス菓子ではない？！」というお話をして、いわゆるパリのアンジェリーナ風のモンブランを作りました。ただ、底のメレンゲ生地は中がキャラメル色になるまで焼く方がおいしいと思うので、しっかりと焼いきます。このクラスの焼き菓子は代表的なドイツ菓子のひとつ「フランクフルタークランツ」です。ドイツ風のバタークリームとカラメリゼしたアーモンド、かくし味にラズベリージャムを使うのお菓子は、私が好きなお菓子のひとつです。クッキーは、小麦粉をあらかじめ焼いておく、香ばしいクッキー「ポルヴォロン」です。　5年目以上のクラスの「栗山」は一見よくあるカップケーキですが、中に抹茶クリームと栗の渋皮煮が入った軽い和風のケーキです。表面にたっぷり絞ったクリームは手製のカカオ風味の栗クリームです。茹でた栗を牛乳、バニラ、グラニュー糖それにほんの少しのカカオプードルで煮てクリーム状にしたもの。これがおいしいのです！このクラスでは焼き菓子も栗のペーストをいれて焼く「栗のクランブルケーキ」を作りました。クッキーは米粉で作る白ごま入りのものを作りました。　10年以上つづいているクラスの「栗とキャラメルクレムーのケーキ」は栗のクリームにとろんとしたキャラメルクレムーをあわせたケーキ。生地はほろっとしたビスキュイ・ザマンドです。栗クリームとキャラメルクレムーの相性の良さといったら…！ミルクティーといただくと、幸せな気分になれます。焼き菓子は「ゴルゴンゾーラのタルト」を作りました。ゴルゴンゾーラのドルチェタイプをいれたクリームを焼き込むこのタルトはちょっとクセのある大人のお菓子。甘めのワインともよくあうと思います。　一番長いクラスの栗のお菓子「カカオ風味のマロンタルト」はカカオ風味のパート・シュクレにカカオ風のアーモンドクリーム、栗のシロップ煮、カスタードクリーム、イボワールシャンティをあわせたタルト。これらのクリームのバランスがおいしさの決め手です。焼き菓子は栗のパウウドケーキなのですが「秋色のパウンドケーキ」と名付けて、コーヒーで風味をつけたものとチョコレートで風味をつけたものを2種類作りました。上ののせたクランブルを、慌て者の私はうっかりグラニュー糖を入れ忘れて作ってしまい、青くなったのですが、いただいてみるとこれがかえってよいおいしくて。甘さのバランスについてひとつ発見がありました。（長いクラスの方々、いつも慌て者の私をあたたかく見守って下さり、ありがとうございます）　一年目のクラスだけは季節とは別に「シュークリーム」をしました。カスタードクリームをバタークリームとオレンジキュラソーを入れるタイプとシャンティを混ぜるタイプに作り分けて2種類のシュークリームを作ります。どのお店でもディプロマートクリーム入りのシュークリームばかりになってしまっている今、こんなオーソドックスなシュークリームはかえってめずらしいかもしれません。「エクレア」はチョコレートとコーヒー風味で。これも流行とは関係のないいつものおいしさです。　今月の私は大学院の発表の準備に追われ、気持ちが焦っていたのだと思います。サワークリームを入れ忘れたり、クランブルにグラニュー糖を入れ忘れたり…。反省しています。いつもあたたかく見守って下さるクラスの皆さまのあたたかさが胸にしみます。（三浦裕子）