チーズケーキとクグロフの4月クラス(4月29日)


4月は19日から26日までクラスをいたしました。19日の朝カーテンをあけると、教室を覗き込むように庭のボタンが咲いていました。チューリップもすぎゆく春を惜しむかのように花びらをゆらしています。今月のテーブルはピンクのクロスに手製の布製のプレイスマットをあわせてみました。器はジノリのベッキオホワイトです。お花もピンク系にまとめてみました。

今月はパリ在住の元生徒さんが里帰りで遊びに来て下さり、おみやげにいただいた『パレス・ド・テ』の『グランドウーロン・トップファンシー』をチーズケーキにあわせてみました。今月はパリに旅行にいらした方から『ボワシエ』のマンディアン、『ポワラーヌ』のサブレが届き、プラハを訪ねられた方からは、可愛らしいイースターエッグや馬蹄形のレープクーヘンが届くなど、ヨーロッパ旅行の話題で盛り上がりました。

2年目のクラスではレモンカードをつかった「レモン風味のチーズケーキ」「ハート型のダックワーズ」「アーモンドクッキー」を作りました。レモンカードはイギリスの保存食でジャムのように親しまれているものです。トーストしたパンにぬる派とパンにぬってトーストする派に好みが分かれるといいますが、お菓子作りにも重宝します。レアチーズケーキに入れると、とてもよい感じに甘酸っぱく仕上がるのです。私はこれを、くるみをちらしたビスキュイ・ア・ラ・キュエールとあわせてみました。底に敷くだけではなく、チーズ生地の間にもビスキュイをいれています。表面にざっとレモンカードをぬって仕上げました。まわりの葉っぱは庭のレモンの木から取ってきました。

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ダックワーズは型がなくても焼けるように、教室では直径2センチの丸口金でハート型に絞って焼いています。お一人づつ絞っていただいたら、なかなか個性的なハート型ができました(笑)間に挟んだのは、コーヒー風味とキャラメル風味のバタークリームです。アーモンドクッキーは、リッチな生地を一口大に絞り出してアーモンドをのせたもの。アーモンドは、生地に入れた残りの卵白をくぐらせてのせます。 3年目以上のクラスでは「オレンジのレアチーズケーキ」「チョコレートマーブルケーキ」「抹茶とホワイトチョコレートのマーブルケーキ」を作りました。
オレンジのレアチーズケーキは10年ほど前に一度作ったものの改訂版です。パート・シュクレの上に軽いビスキュイ・ジョコンドを敷き、オレンジキュラソーでマリネしたレアチーズ生地をのせました。表面にはゆるくホイップしたシャンティをソースのイメージでさっと広げます。18センチ角の型で作ったのですが、底にちらしたオレンジが切り分けにくく、まだ改訂の余地があると感じました。でも、お味は…美味しいです!各クラスいろんな切り分け方で楽しみました。
今月はマーブルケーキを2種類クグロフ型で焼きました。クグロフ型の焼き菓子というと、アルザス地方の発酵生地のものを思い浮かべる方が多いと思いますが、ウィーン菓子ではバターケーキをクグロフ型で焼きます。クグロフはドイツ語ではグーゲルフプフと呼ぶのですが、ウィーンではチョコレート入りのマーブルバターケーキをよく見かけます。今月はウィーンのグーゲルフプフをアレンジしてみました。ウィーン菓子では、ココアとバターを使うところをチョコレートに変えましたが、生地にレモンの皮で風味をつけるという伝統的なウィーンのやり方は残しました。どこか懐かしさを感じる味わいの焼き菓子です。もうひとつは、ホワイトチョコレートに抹茶を練り込んで生地に風味をつけてマーブルケーキにしました。こちらはホワイトチョコレートを基本の生地にも使いミルキーな風味に仕上げました。マーブルケーキは混ざりすぎても混ざらずに2層になるもの面白くないもの。ボウルの中で混ぜて型に入れると混ざりすぎます。教室では型にふたつの生地をところどころに置くようにいれ、最後に竹串でぐるぐると混ぜてオーブンに入れました。こんな風に混ざります。各クラスの生地をご覧下さい。
今月は先月の「キリスト教とお菓子」の第二弾として「レープクーヘン」について話をしました。ニュルンベルクで生まれたといわれるレープクーヘンは、1293年に職人組合ができます。お菓子であり、おつまみであり、薬でもあったレープクーヘンは、現代の私たちが中世の食に思いを馳せる手がかりとなるお菓子です。 ティータイムの前には、新玉葱を梅干しで煮たスープをご用意しました。