塩味のシューが好評でした。(11月21日)

 
 大相撲の九州場所も始まり、季節は秋から初冬に移りつつあります。お菓子でほっと一息つくひとときが、とりわけ楽しみな季節です。今月からクリスマスツリーを飾りました。テーブルは深紅のクロスに黒のモワレのナプキンをあわせ、スクエアのガラス皿をおいてモダンなテイストにしました。

 今月の1年目、2年目のクラスのメニューはパート・シュクレ、タルトです。パート・シュクレはパイに比べてあつかいが簡単でバリエーションも豊富。ぜひとも家庭で作っていただきたいお菓子です。1年目は、アーモンドクリームを詰めて焼き、カスタードクリームとフレッシュをのせた「フルーツタルト」、煮りんごとレーズンを詰めてソースで焼く「アルザス風のアップルタルト」、かぼちゃのペーストを詰めて焼く「パンプキンタルト」とタルトづくしです。フルーツタルトはいちご、洋梨など季節のフルーツをたくさんのせます。アップルタルトは写真を撮りそびれたのですが、大きめに切って煮た紅玉がおいしい人気のタルト。パンプキンタルトはシナモンを効かせたかぼちゃがほくほくの素朴なタルトです。

 2年目はレモンクリーム入りの「タルト・オ・シトロン」ビターなチョコレートのコクを楽しむ「タルト・カライブ」そしてペッパーを効かせた「キャラメルアーモンド」。タルト・オ・シトロンは私の好きなお菓子のひとつ。甘酸っぱいレモンクリームタルトに軽いシャンティクリームをあわせたこのタルトをいただくと、疲れやむしゃくしゃは気分も吹き飛びますよ。タルト・カライブもそう。おまけにこのふたつのタルトは作り方も簡単なのです。アーモンドキャラメルはローストしたアーモンドにキャラメルがけしたもの。これにチョコレートをコーティングしてもおいしいのですが、ここではあらびきペッパーをまぶしました。これがまた、後をひくおいしさなのです。

 3年目のクラスのお菓子もおすすめです。「栗とミルクチョコレートのムース」「オレンジケーキ」「ガレット・ブルトンヌ」。ミルクチョコレートのクリームとディプロマートクリームの間に栗の渋皮煮をちらし、カカオ風味のビスキュイ・ジョコンドとビスキュイ・ア・ラ・キュイエールでサンドした栗とミルクチョコレートのお菓子は、秋ならではのおいしさ。手はかかりますが、それだけのことはあると思います。オレンジケーキも見た目は普通の焼き菓子ですが、一口目でたいていの方が「おいしい…」と声をあげるもの。ひと工夫したバターケーキです。ガレット・ブルトンヌは芯までしっかりと火を通す焼き方を「ラ・ヴィエイユ・フランス』の木村成克シェフから教わったもの。ほっぺがおちるほどおいしいですよ。

 5年目以上のクラスでは「シュー・サレ」をしました。ケーク・サレが評判になっていた3年ほど前に考えたもの。チーズ入りのクランブルをのせて焼いたシュー生地にたらもサラダとポテトサラダを詰めたオードブルです。ちょうどボジョレー・ヌーボーの解禁日に重なったクラスでは、「今夜のパーティーにこれを」という声があがっていました。ケーキは「かぶき」と名付けた和風のオペラです。ビスキュイ・ジョコンドに抹茶風味のイボワールシャンティ、栗入りのカスタードクリーム、あずきのシャンティをあわせたもの。ジョコンド生地にもひと工夫しています。クッキーは、「ラズベリージャム模様のラング・ド・シャ」です。ラング・ド・シャにジャムで線書きするのですが、ハートあり、ドッドありの、ニコニコマークありの楽しい仕上がりとなりました。

 他に「軽いりんごのパイ」を作ったのは10年以上続いているクラス。パイのケースに大きめの煮リンゴを並べ、軽いソースで焼きます。仕上げはシナモン風味のイタリアンメレンゲ入りシャンティをふんわりのせて仕上げます。長いクラスだからといって難しいお菓子ばかりをするのではなく、良い意味で肩に力が入っていないシンプルなあじわいもいいものです。

 一番長いクラスのメニューは「さつまいもとりんごのプチ・ガトー」「今年のりんごのパウンドケーキ」「軽いフロレンティーナ」です。料理でときどきみかけるさつまいもとりんごの組み合わせをお菓子にしてみようと考えました。さつまいもはアンズレーズとあわせるとチャーミングな味わいになります。今年のりんごのパウンドケーキは、りんごのプリザーブを生地の中にしっかりと混ぜて焼くタイプを作りました。型の下にキャラメルと混ぜたりんごを敷いて、カルヴァドスを効かせます。フロレンティーナはサブレの生地で作っていたのですが、今回パイにしてみました。上のヌガーも薄く仕上げて香ばしく焼き上げました。
 これから12月にかけて何かしら気ぜわしい時期ですが、忙しくてもどこかでお菓子のあるティータイムを30分おとりください。そして新鮮な気持ちでまた忙しい日常に。(三浦裕子)