春そして自然の脅威…(4月18日)
熊本の地震で被災された方々に、謹んでお見舞いを申し上げます。
今月は9日から16日まで教室をしました。14日の夜16日の未明は福岡も揺れましたが、お陰さまで日常生活に支障がでることはありませんでした。ただ15日、16日は熊本、大分、小郡から通ってくださっているお生徒さん達はお休みでした。皆さまとは連絡がとれたので、安心いたしました。
庭にはモクレン、ハナミズキが咲き、若葉の初々しい緑の美しさは格別です。けれども自然はまた恐ろしくもあります。
余震が続いている熊本の方々の思うと、楽しい教室の様子を語るのはためらわれますが、報告いたします。
テーブルはピンクのクロスに、花柄の手製のテーブルマットを置き、ジノリのベッキオホワイトのティーセットをあわせました。お花はバラにしてみました。お手洗いのコーナーは庭のモクレンです。
メニューはAクラスは「フルーツスフレロール」「エコセ」。BとCクラスは「ガトー・ダニシェフ」「レモンのマドレーヌ・ティグレ風」クッキーは総てのクラスで「カフェ・キプフェル」です。
「フルーツスフレロール」はスフレ生地のロールケーキです。中に苺、キーウィ、バナナそしてカスタードクリームを入れて巻きました。『キハチ』のトライフルロールをヒントに作ったお菓子です。
「エコセ」はアルザスやドイツ語圏で作られる焼き菓子です。エコセはフランス語でスコットランドという意味がありますが、このお菓子の型はドイツ語圏でレーリュッケンと呼ばれます。鹿の背という意味で、かまぼこ型をしています。スライスアーモンドを貼付けた型にカカオ風味のメレンゲ生地を広げ、アーモンンドクリームを詰めて焼くお菓子です。
「ガトー・ダニシェフ」は1876年に作られたお菓子で、当時パリで人気のあった劇の題名『ダニシェフ』にちなんで名付けられました。ジェノワーズにカスタードとジャムをはさんで、イタリアンメレンゲで仕上げるお菓子です。教室ではジャムの変わりにオレンジの果実をはさみました。当時の「ダニシェフ」はフレッシュフルーツを使うことはなかったはずですが、表面にはフルーツをあしらいました。表面はバーナーで焼き目をつけるのですが、私はバーナーの使い方がへたで、焼きむらがあります。イタリアンメレンゲは各クラスで絞り方を変えています。当時のダニシェフはプレーンな仕上げだったはずなので、シンプルなタイプも作りました。
「レモンのマドレーヌ・ティグレ風」はレモンの果汁と皮をいれたマドレーヌをくぼみのあるインゴット型で焼き、くぼみにレモン汁を加えたイボワールガナッシュを絞りました。初夏にぴったりの焼き菓子です。
各クラス共通で作ったクッキーは「カフェ・キプフェル」。ウィーンのクッキーバニーレキプフェルをカフェ風味にしたクッキーです。ブラウンシュガーを使い、粉の一部を浮き粉の変えて、甘さのコクとサクサク感が増すようにしています。私の好きなクッキーの一つです。
今月はティータイムの前に新玉葱と梅干しのスープをご用意しました。ティータイムのトピックは、「カトラリーの歴史について」と「バロック時代のテーブルのイメージ」です。
九州はまだ余震が続いており落ち着かない日々ですが、心を落ち着かせ、元気をだして参りましょう。(三浦裕子)