赤毛のアンのお菓子(11月2日)

\"\"\r\n「福岡を本の街に」を合い言葉に、毎年10月18日から11月18日までの一ヶ月間行われる『ブックオカ』は今年で4年目を迎えるイヴェントです。期間中は西原理恵子さんのトークショーや黒田征太郎さんのライブ・ペインティングをはじめ、読みきかせオヤジバトルや編集、ライター養成講座など本にまつわるいろんな催しが福岡市内で行われます。\r\n 今年は私も『ブックオカ』の仕掛人ブックスキューブリックの大井実さんに誘われ、キューブリック箱崎店のカフェに11月1日から3日までの3日間「赤毛のアン」のお菓子をだしました。お菓子は「アンの青春」(新潮文庫)の21章にでてくるミス・ラヴェンダーのスポンジ・ケーキにしました。アンとダイアナが迷子になり、知らないお宅に飛び込んで道を尋ねるのですが、そこに住んでいたのがミス・ラヴェンダー。近所づきあいをせず、変わり者といわれていたミス・ラヴェンダーですが、なんと彼女はお客さまのあてもないのに、いつもお菓子を焼いて茶のテーブルをととのえているのです。よかったらお茶をとすすめられてお客になるアンとダイアナ。ここからミス・ラヴェンダーの運命も動きだす…というくだり。私はこの話が大好きなのです。\r\n この日ミス・ラヴェンダーが用意していたのは、スポンジ・ケーキとドーナツ。今から100年近く昔の話で舞台はご存知カナダのプリンスエドワード島ですが、ミス・ラヴェンダーの両親はイギリスから渡ってきた人となっています。古いイギリス菓子の本で「レモンクリームスポンジ」というベーキングパウダーを入れて作るスポンジケーキにレモンカードをはさむレシピを見つけ、これを作ることにしました。キメの粗いふんわりした生地のスポンジですが、素朴なおいしさがあります。キューブリックカフェのお客様に喜んでいただけると嬉しいです。(三浦裕子)