6月のSweets&Tableは8日から15日まで開きました

6月のSweets&Tableは8日から15日まで開きました。テーブルは今年も紫陽花が主役の薄紫のクロスに紫陽花模様の手作りナプキンをあわせたもの。紫陽花は祖母に代から親しくさせていただいているお宅のお屋敷からいただいたものです。前半の紫陽花は小雨で色合いがもうひとつでしたが、雨が降った後半は冴え冴えとした紫をたたえて、テーブルに生き生きとした季節感を添えてくれました。


今月のメニューをご紹介します1年目のクラスはイタリアのお菓子をテーマに「ズコット」「パンナコッタ」「エスプレッソ・ビスコッティ」を作りました。ズコットは最初のセミフレッドといわれているエミリオロマーニャのお菓子ですが、教室ではナッツや刻んだチョコレートをシャンティと混ぜて詰め、冷蔵したものにいたしました。パンナコッタはバニラで香り漬けをして、ほのかに甘さをつけた生クリームをゼラチンで固めたほんとうに簡単なドルチェです。プリンカップで固めて、季節のフルーツを添えてみました。ビスコッテイはエスプレッソ味で作りました。本来のビスコッティは、バターを使わない生地にアーモンドを入れて2度焼きするものですが、ここではバターをいれてリッチにし、インスタントコーヒーでエスプレッソ風味にしました。イタリアは食後のデザートは美味しいのですが、お菓子屋さんに並ぶお菓子となるとはっきりとしたイメージしにくいと言われてきましたが、近年お菓子にも力が入ってきたようでう。楽しみですね。



3年目のクラスでは「ディプロマートトルテ」「メープルシロップ風味のチーズケーキ」「タイム風味のビスケット」を作りました。ディプロマートトルテは、普通のジェノワーズとカカオ風味のジェノワーズを2台焼き、交互に生地を重ねて市松模様に仕上げるケーキです。牛乳を使った軽いチョコレートクリームで仕上げました。生地を重ねていく過程、デコレーションはクラスの方々にしていただいたのですが、大盛り上がりでした。手をかけるのも楽しいものです。メープルシロップを使ったチーズケーキは、ベークドタイプです。甘さがグラニュー糖でも補いますが、メープル風味がほんのりするチーズケーキもいいものです。フレッシュタイムを聞かせて焼くビスケットのコツは、焼きを控えめにすること。しっかり焼きすぎると、タイムの風味がとんでしまいます。

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5年目から10年以上続いているクラスは「ヴェリンヌ・パイナップル&パンナコッタ」「オレンジココナツケーキ」「ナッツをのせたチーズサブレ」を作りました。ヴェリンヌはグラスで作る冷菓で近頃よく見かける冷菓ですが、正直に申しますと、私自身はこのお菓子の本質をまだよく掴みきれていないのです。そこで次のことを考えて この冷菓を組み立てました。2種の違う味の組み合わせを楽しむ。そこに1つアクセントとなる味を少し加える。二つの味はアールグレイシロップで固めたパイナップルとパンナコッタです。アクセントとしたのは、パッションプルーツのピューレです。くるみをかけたビスキュイ・キュイエールを添えました。おおむね好評でしたが、私はパッションフルーツの添えた方に改良点あり、と考えています。オレンジとココナツの組み合わせたはもう何度もとりあげたのですが、今回はタイカレーなどの使うココナツミルクパウダー入り、というのが新しいところです。ココナツファインは表面に散らすのですが、生地には入れません。オレンジ果汁でといたグラスをかけました。夏向きの軽い焼き菓子ができました。クッキーも夏向きにサレです。パルメザンチーズを入れた生地にヘーゼル、アーモンド、ピーカンの3種類のナッツをのせて焼きました。カリッと塩味で、つい手が伸びるおいしさです。


15年以上続いているクラスでは、「ブルーベリーのマーブルチーズタルト」「ガトー・オ・ポンム」「アマレッティ・カフェ」を作りました。くるみ入りのパート・シュクレに、ブルーベリー入りのアパレイユを流して焼き、ブルーベリージュース入りのチーズクリームをのせたタルトです。アパレイユに入れたエダムチーズが味のアクセントです。ジャガイモのケーキは昔もドイツのレシピで作っていたのですが、今回はそれに改良を加えて、ナッツやスパイス入りの新しい焼き菓子にしてみました。ほの温かい焼きたても、冷蔵庫で冷やしても美味しいのですよ。クッキーはから焼きしたアーモンドパウダーで作るアマレッティです。今回はコーヒー風味にしてみました。
今月はテイラーズ・オブ・ハロゲイトのミントティーをあわせました。モロッカン・ミントを使った涼感あふれるお茶です。お菓子の前に、ヴィシソワーズとライ麦パンを少し楽しんでいただきました。新緑もいつの間にか深々とした緑に変わりました。蒸し暑さを通り越すと、乾いた風が吹き渡る夏です。お菓子のあるお茶の時間で、今ここにある季節を楽しむ気持ちをもちたいものです。
(三浦裕子)