苺のお菓子をたくさん・3月クラス(3月19日

 

 

 

 

 

 

庭に水仙、クリスマスローズが咲きました。れんぎょうもぽつぽつ咲き始めています。何より、柔らかく香しい春の息吹がたちこめています。テーブルはイエローベースのプリントのクロスにアイビーの模様が入ったティーセットをあわせました。コンソールに飾っているのは、庭になったもぎたてのレモンです。ティータイムの前には、ホワイトアスパラガスのスープをご用意しました。
3月はすべてのクラスで苺のお菓子を作りました。




 

 

 

 



 

 

 

 

1〜2年目のクラスは「苺のシャルロット」、3年目のクラスは「春風」と名付けたプチ・ガトー、4年目のクラスは口溶けが自慢の「苺のショートケーキ」、5年目〜11年目のクラスは「苺のぐるぐる」と名付けたプチ・ガトー、一番長いクラスでは「苺のモンブラン」です。柔らかくてみずみずしく甘い苺は、ほんとうにお菓子の創作意欲をかきたててくれます。




1〜2年目のクラスの苺のシャルロットはビスキュイ・ア・ラ・キュイエールに苺のムースをつめたお菓子。ムースはイタリアンメレンゲで軽く仕上げます。もちろん、フレッシュな苺の果汁をたっぷりと使います。このクラスでは他に「コーヒーロールケーキ」を作りました。このロールケーキはふんわりと軽いものではなくて、強力粉を混ぜたしっかりとした生地にイタリアンメレンゲで作ったバタークリームで仕上げたもの。室温で食べておいしいロールケーキなので、ドライブやピクニックのお供におすすめです。クッキーは手製のラズベリージャムをのせて「ひとくちクッキー」を作りました。

 

 

 

 

3年目の春風と名付けたプチ・ガトーは柔らかいスポンジにシャンティクリームとディプロマートクリームをあわせたもの。かくし味にラズベリージャムを使っています。これをおいしいと言わずに何の苺のお菓子でしょう、という組み合わせです。このクラスの他のメニューは「抹茶とホワイトチョコレートのシフォンケーキ」「ホワイトチョコチップクッキー」です。ホワイトチョコレートはシフォンケーキでは溶けてミルキーな味わいになり、クッキーではカカオの風味がナッツのような風味になります。



 

 

 

 

 

 

 

 

4年目のクラスの苺のショートケーキは昨年改良したもの。卵と生クリームと苺の風味を生かして、特に口溶けの良さを追求したレシピです。このクラスではマジパンを使った「バウムクーヘン」「ブルーチーズとくるみのクッキー」を作りました。バウムクーヘンはマジパン入りのしっとりとした生地に、ほのかにスパイスを効かせています。この味の余韻がバウムクーヘンの大事なところです。ブルーチーズを効かせたクッキー・サレはワインをぬきたくなるお味。くるみの香ばしさがよくあうのです。



5年目以上のクラスの苺のぐるぐるは、ビスキュイ・ジョコンドにラズベリージャムをぬって巻いた生地の中に、ディプロマートクリームとイボワールシャンティーを取り囲むようにフレッシュな苺が納まっている、楽しくておいしいプチ・ガトーです。このクラスでは「エクレア・クランブル・カフェ&ショコラ」を作りました。シュー生地にクランブルをのせて焼き、焼き目を下にして仕上げます。普通のエクレアだと思って食べると、サクサクした食感に嬉しい驚きが…という趣向です。中に詰めたのはコーヒー風味のディプロマートクリームとクレムー・ショコラ。クリームのおいしさも自慢です。


長いクラスの「苺のモンブラン」は今年考えたお菓子です。苺のコンポート入りのパン・ド・ジェーヌ生地にディプロマートクリームと苺、それに苺の果汁入りのイボワールシャンティーを重ねたものです。クリームの仕上げ方に課題は残りますが、おいしいお菓子ができたと思います。焼き菓子は「いちじくとシナモンのパウンドケーキ」「ティグレ」「ヌガーの入りの薄焼きクッキー」を作りました。いちじくとシナモンのパウンドケーキは、ブランデー入りのシロップをたっぷりぬってしっとりと仕上げます。ティグレは虎という名の焼き菓子。フィナンシェ生地に刻んだチョコレートを混ぜた生地にガナッシュを絞って仕上げます。ヌガー入りのクッキーは薄焼きクッキーの真ん中にヌガー生地を流して焼いた香ばしいクッキーです。


大震災から1年たって巡ってきた春。先月母を亡くしたこともあり、大切な人を亡くされた方々のお気持ちを察すると胸がつぶれそうです。それでも巡ってきた蘇りの季節、春。うぐいすの声、ふきのとう、などなど。春の息吹に耳をすまし、生命を慈しみたいと思います。
(三浦裕子)